2026-07-30

実はあんなに深い!都内地下鉄の『深さ』ランキングと巨大インフラ技術

東京の地下鉄に乗っていると、いつまで経ってもホームに辿り着かない「ものすごく深い駅」に遭遇したことはありませんか?東京の地下鉄ネットワークは、時代が下るにつれてどんどん深い場所を掘らざるを得なくなり、複雑怪奇な立体交差を生み出してきました。この記事では、地下鉄の「深さ」にまつわる秘密と、そのインフラ技術に迫ります。

なぜ地下鉄は深く潜るのか? 銀座線や丸ノ内線といった古い路線は、道路のすぐ下を掘る「開削工法(オープンカット工法)」で作られたため、地下の非常に浅い場所(地下1階〜2階程度)を走っています。 しかし、後から建設された千代田線、半蔵門線、南北線などは、すでに存在する地下鉄のトンネルや、巨大な下水道、地下街、ビルの基礎杭などを避けて建設しなければなりません。そのため、最新のシールドマシンと呼ばれる巨大な掘削機を用いて、地下深く(地下大深度)をモグラのように掘り進める「シールド工法」が採用されました。これが、新しい路線ほど深い場所を走っている理由です。

都内地下鉄 深い駅ランキング 東京都内の地下鉄において、地表からの深さが最も深い駅のトップ3は以下の通りです。

第1位:都営大江戸線 六本木駅(地下42.3メートル) 堂々の第1位は、都営大江戸線の六本木駅(1番線ホーム)です。ビルの地下7階に相当する深さがあり、改札からホームに降りるだけでもエスカレーターを何度も乗り継ぐ必要があります。この驚異的な深さは、すでに存在する日比谷線のトンネルや、六本木周辺の複雑な地下インフラを完全に避けて建設された結果です。

第2位:東京メトロ千代田線 国会議事堂前駅(地下37.9メートル) 東京メトロで最も深いのがこの駅です。国会議事堂のすぐ近くという立地から「核シェルターになっているのでは?」という都市伝説がまことしやかに囁かれますが、実際には、周辺の地形の起伏(台地)と、丸ノ内線や銀座線のトンネルの下をくぐる必要があったため、純粋な工学的な理由でこの深さになりました。

第3位:都営大江戸線 新宿駅(地下36.6メートル) 巨大ターミナルである新宿駅も、多数の地下鉄や地下街が入り組んでいるため、大江戸線は非常に深い位置にプラットフォームを設けています。

リニアモーターカー技術の採用 大江戸線のような「後から作られた深い地下鉄」は、建設費が高騰するという大きな課題がありました。そこで採用されたのが「鉄輪式リニアモーターカー」の技術です。 車輪を回す巨大なモーターを積むのではなく、レール側の磁力で推進するため、車両を非常に小型化(ロープロファイル化)することができました。これにより、トンネルの断面(シールドマシンの直径)を小さくすることができ、深く長いトンネルの建設コストを大幅に圧縮することに成功したのです。大江戸線の車内が少し狭く感じるのは、この高度なコストカット技術の賜物と言えます。